鳥・新型インフルエンザに関するお知らせ(含 タイにおける状況)

平成20年3月26日
平成20年7月22日更新

1. 鳥インフルエンザとは

鳥インフルエンザ(Avian Influenza)は、ヒトのインフルエンザとは別の基本的に鳥類の感染症です。しかしながら、ヒトへの感染が、感染している鳥やその死骸、病鳥の泄物などとの濃厚な接触(鳥を殺す、羽をむしる、料理の準備をする等)によって発生しています。ヒトからヒトへの感染は、2006年5月にインドネシアの北スマトラで親族間の濃厚な接触による感染が確認された程度であり、極めて限定的です。

感染した場合の一般的な症状は、突然の発熱、咳、倦怠感、筋肉痛など、ヒトのインフルエンザと類似していますが、下痢などの消化器症状も多くの例で見られます。

治療法としては、一般的なインフルエンザの治療薬として処方されるタミフルが、現状では最も効果が高いと考えられています。当国でタミフルを入手するためには、医師の処方を受ける必要があります。

2. タイ及び世界における感染の状況

タイ国内では、2004年以降、鳥やヒトへの感染が確認され、また、2007年初旬にピサヌローク県、ノンカイ県及びアントン県の3県で家禽への感染が確認されて以後、感染確認はありませんでしたが、2008年1月下旬にナコンサワン県及びピチット県で新たに養鶏場の鶏への感染が確認されています。但し、ヒトへの感染は確認されていません。2004年から2007年までにタイ保健省が確認したヒトへの感染状況は以下の通りです。これまでのところ、タイ国内でヒトからヒトへの感染は、2004年に疑いがあったケースはありましたが、確認された例はありません。また、感染者の数も減少傾向にあることから、タイ当局の封じ込めは機能している状況ではありますが、近隣諸国ではヒトへの感染が発生していますので、引き続き注意が必要です。

2004年感染者17人(うち死者12人)
2005年感染者 5人(うち死者2人)
2006年感染者 3人(うち死者3人)
2007年感染者 0人

一方、世界全体では、鳥への感染はアジアからヨーロッパやアフリカにまで広がっており、2007年には日本でも宮崎県、岡山県で新たに発生が確認されています。また、人への感染は、世界保健機関(WHO)の統計では、2003年から2008年3月11日までにアジアやアフリカで372人(うち死者235人)が確認されています。中でも、インドネシアにおいて鳥インフルエンザに感染して死亡した人は105人で、世界で初めてひとつの国内で100人を越える死者がでました。ベトナムでは死者は51人にとどまっていますが、既に105人の感染事例が報告されています。

関連情報:

タイ政府の鳥・新型インフルエンザ対策

タイにおける鳥インフルエンザの監視体制と感染者

最新の情報は、タイ保健省やWHOのホームページ(下記)でご確認下さい。

3. 予防対策

鳥インフルエンザに対する予防対策は、とにかく「鳥に近づくな!さわるな!」です。

以下の諸点についても一層注意を払ってください。

  1. タイ保健省やWHOのホームページ、マスコミなどから提供される情報に注意を払い、正確な知識を身につけるよう心がけること。
  2. 通常のインフルエンザ・ワクチンの接種、うがいや手洗い、マスクの着用などの感染予防対策を励行すること。
  3. 鳥インフルエンザの流行が見られる鶏舎、鳥を放し飼いにしている場所、生きた鳥を扱う市場などに不必要に近づかないこと。
  4. 死んだ野鳥や放し飼いの鳥などに必要もなく接触しないこと。
  5. 発熱、頭痛などインフルエンザを疑う症状がある場合は、早期に医師に相談すること。
  6. 鶏肉や鶏卵を食べるときは十分に加熱調理すること。(ウィルスは加熱により死滅します。WHOは一般的な食中毒の防止方法として、食品の中心温度が70度以上に達するよう加熱することを推奨しています。)
  7. 感染予防のためには、職場におけるタイ人職員、家庭における家事補助者、運転手等についても、同様の予防対策を取っていただくことが重要です。

また、早期発見が感染拡大を防止します。日本への帰国時にも、発熱や咳の症状が見られる場合には、検疫所の健康相談室に申し出てください。

食料・水・日用品の確保・備蓄

新型インフルエンザが発生し、パンデミック(世界的大流行)となり、多くの罹患者が出ると、生活に欠かせない活動にも影響が出ることも想定され、そのために種々の生活必需品も不足して、手に入らなくなることがあります。

また、感染を防ぐためには不要不急の外出をしないことが原則であり、さらに電気、水道等のライフラインも影響を受ける可能性もあることから、災害時 と同様に外出しなくても良いだけの最低限(2週間程度)の食糧・日用品等は準備しておくのがよいでしょう。ただ、流行期間は2ヶ月程度続くと考えられ るので、社会機能の低下を見越して、1~2ヶ月程度の備蓄があった方が望ましいと思われます。

下記に例を挙げますが、各家庭で過去1ヶ月から2ヶ月程度の間に必要であったものを列挙するなどし、各家庭の状況に応じ準備することが必要です。

1. 食料品

(1)主食類

(2)主菜・副菜

(3)嗜好品

(4)その他

水:生命維持に必要な飲料水の量は1人一日3~4リットルとされており、ある程度の備蓄が必要でしょう。

参考:日本の農林水産省の資料(「食料安全保障について」)によれば、下記のような食事メニューで、1人1日当たり2,020kcalのカロリー補給が可能となっています。

朝食:

昼食:

夕食:

2. 医薬品など

(1) 常備薬:胃薬、下痢止め、その他持病の処方薬

(2) 解熱鎮痛剤:比較的副反応の少ないとされる「パラセタモール」はタイでは日本における一般薬の風邪薬と同じように薬局などで容易に入手できます。

(3) マスク:不織布などの気密性が高く、透過性の低い素材のものを選びます。バンコクでは不織布素材のマスク(3M MaxCare など)がドラックストアーなどで販売されています。
なお、健常人がマスクを着用しているからといって、ウイルスの吸入を完全に予防できるわけではありません。
1日1枚は交換するようにしてください。

(4) 消毒用アルコール:手指やドアノブの消毒に用います。
バンコクでは、ドラックストアーなどで販売されています。また、携帯できるゲル状のもの(Hand Joy など)また指先消毒用(Kendall curity など)のものも販売されています。

(5) 家庭用塩素系漂白剤(次亜塩素酸ナトリウム;ハイターなど):ドアノブ、テーブルなどの消毒に用います。

(6) 手洗い用液体石けん

(7) ゴム手袋(破れにくいもの)

(8) 体温計

(9) 保冷剤:発熱時の冷却用

3. 日用品

(1) ビニール袋:汚染されたゴミの密閉に利用します。

(2) 懐中電灯

(3) 乾電池

(4) ラジオ

(5) カセットコンロ・ガスボンベ

(6) トイレットペーパー

(7) ティシュペーパー

(8) キッチン用ラップ

(9) アルミホイル

(10) 洗剤(衣類・食器等)

(11) 保湿ティッシュ

(12) 生理用品(女性用)

(13) 紙おむつ(乳幼児がいる家庭)

(14) ペットフード(ペットを飼っている家庭)

4. 緊急連絡先リスト(大使館、病院、航空会社、日本の親族等)

注意:一部の物品について、具体的な商品名を記載していますが、これらはあくまでも一例であって、大使館として推奨しているものではありません。
同等品がありますので、購入に際しては、ご自身で品質・価格等をご確認ください。

参考資料:

4. 今後の心構え

現時点では、鳥類やその死骸、排泄物などとの濃厚な接触を避けるなど、上記の予防対策を適切に実行していれば、鳥インフルエンザに感染する怖れはほとんどありません。しかし、今後、鳥インフルエンザのウィルスが変異して、人から人に容易に感染する「新型インフルエンザ」が発生し、短期間のうちに世界的に感染が広がる怖れがあると指摘する専門家もいます。

新型インフルエンザが流行した場合、以下のような事態が発生することが想定されていますので、皆様方におかれては、万一の事態に備えて、常に最新情報の取得に努め、今後の対応を検討しておいて頂くようお願いします。

  1. 流行の拡大を防止するため、各国で出入国が厳しく制限される可能性があります。また、航空機等の運航が停止される可能性もあります。従って、状況によっては早めに帰国の準備をした方が良い場合もあり得ます。
  2. 物資の流通が制限され、生活物資の入手に支障をきたす怖れがあります。
  3. 集会などが禁止されたり、学校などが閉鎖されたりする可能性があります。
  4. タイ政府は、インフルエンザの治療薬であるタミフルの備蓄やインフルエンザに対応した特別の病棟の整備などを進めていますが、流行が拡大した場合、これらが不足する可能性も否定できません(そもそも新型インフルエンザに対するタミフルの効果は、現時点では確認できません)。また、新型インフルエンザのワクチン開発,生産は、新型インフルエンザが発生してから相当な時間をかける必要があります。

なお、在タイ日本大使館ホームページでは、タイにおける鳥インフルエンザの情報提供を中心に行っていきますが、以下のホームページも併せ参照の上、最新情報をご確認ください。

↑ このページのトップへ戻る