
2010年2月9日
日本政府は、草の根・人間の安全保障無償資金協力により、環境・地域開発協会に対して、「健康及び環境被害を軽減するための有機農業推進計画」にかかる総額1,669,500バーツの支援を決定しました。平成22年1月26日、在タイ日本国大使館において、小町恭士大使と環境・地域開発協会のラリター・シリワタナノン代表との間で署名式が行われました。
タイは全国民の66%の家族が農民で占められる農業国です。高品質に裏付けされた好調な外需に支えられ、世界最大のコメ輸出国としてアジアやアフリカ、中近東、アメリカなどの市場を席巻しています。しかしながら、収量を上げるためには多くの化学肥料や農薬を使わざるを得ず、土壌や水質汚染といった環境の悪化や、眼病や気管支系疾患といった健康への被害が深刻な社会問題となりつつあります。この事態を重く見た政府は、研修などによって有機農業を推奨していますが、まだタイ国全土に亘るまでには普及していません。
こうした問題に対処するため、コンケン市で近郊農業を営むノーンクアオ村の農民たちは、有機農業の推進団体である「環境・地域開発協会」の協力を得て、従来の農法から有機農業への転換に取り組み始めました。同村はコンケンでも有数の畑作地帯ですが、大量な農薬や化学肥料の使用により土壌が疲弊し、土壌改良のために毎年耕作土を購入しなければ連作が出来なくなっています。また、これらの購入のための費用も莫大であるため、農民は多額の借金を余儀なくされ、営農の改善が急がれていました。
今回、日本政府は同協会からの要請を受け、有機農業の研修費用、土壌測定器購入費用、堆肥製造小屋建設費、有機農業普及のための広報資料作製費などを支援します。有機農業の普及は農地の回復や、生産者及び消費者の健康増進を可能にすることはもとより、貧困や負債といった農家の困難を軽減し、農村社会の健全な発展に貢献出来ることが期待されます。
日本政府としましては、今後とも、草の根・人間の安全保障無償資金協力を通じて、貧困農民の生活向上や持続的発展のための支援を行っていく方針です。