
2010年2月18日
日本政府は、草の根・人間の安全保障無償資金協力により、スリン県農民の能力向上支援団体に対して、「スリン県における持続可能な有機農業推進計画」にかかる総額3,320,000バーツの支援を決定しました。平成22年2月3日、在タイ日本国大使館において、小町恭士大使とスリン県農民の能力向上支援団体のタンヤー・セーンウボン代表との間で署名式が行われました。
スリン県は有機農業推進県です。政策に後押しされ、大小様々な団体や農家が有機米を生産していますが、その中核を成すのが約300家族の農民から成る自然農法グループです。彼らの米作りは、約30年前、有機農法の祖と言われた福岡正信氏が、当地に自然農法を伝えたことに端を発します。以来、脈々と受け継がれた自然農法は、灌漑のない痩せた大地を黄金色に変え、貧困に喘ぐ農民たちに大きな希望を与えました。
スリン県農民の能力向上団体は、25年間に亘って農民の貯蓄組合や有機農業の普及に尽力し、多大なる成果を上げてきたローカルNGOです。5年前からは、自然農法グループと協働し、農民を講師に起用することによって有機農業研修を開始しました。国内で最も先進的な研修事業であるとの評判を呼び、県内外から毎年1,000名以上の参加者を受け入れています。しかしながら、多くの研修員を受け入れるには施設が十分ではなく、効果的・効率的な研修を実施するためにも、施設の拡充が急務となっていました。
今回、日本政府は同団体からの要請を受け、有機農業普及のための研修棟、実習棟、宿泊棟、トイレの建設費用、並びに資機材購入費等を支援します。有機農業の普及は農地の回復や、生産者及び消費者の健康増進を可能にすることはもとより、貧困や負債といった農家の困難を軽減し、農村社会の健全な発展に貢献出来ることが期待されます。また、現在僅か0.5%という有機農業の全国的な普及率の上昇に弾みがつくことが期待されます。
日本政府としましては、今後とも、草の根・人間の安全保障無償資金協力を通じて、貧困農民の生活向上や持続的発展のための支援を行っていく方針です。