
2010年12月21日
日本政府は、ヤドホン協会が実施する「サゴヤシの有効利用による環境保全及び継続的農業開発計画」に対して、草の根・人間の安全保障無償資金協力による支援を行いました。平成22年12月20日、トラン県ナヨーン郡コークサバ地区にてこの支援により建設されたサゴヤシ学習センターの落成式が行われ、小島誠二大使及びマイトリー・イントゥスットトラン県知事が参加しました。
サゴヤシは東南アジアやオセアニアに自生するヤシ科の植物です。サゴヤシの幹から採れるデンプンは食用として利用されており、最近ではバイオ燃料の原料としても注目されています。また、葉や枝は建築用材や屋根葺きの材料に用いられ、固い繊維はロープにもなります。樹皮は燃料になり、木くずやデンプンを抽出した残りかすは肥料や家畜の使用などに利用することが可能です。
サゴヤシは多年生作物なので気候変動の影響や病虫害の被害を受けにくく、肥料をほとんど必要とせず、生産性が低い土地や湿地にもよく適応します。また生態系や人に対して安全で、生育が早く、二酸化炭素の吸収量も多く、温暖化防止に貢献するといわれています。
近年、農業の近代化、産業化、グローバル化の影響で、伝統的生活様式の中で利用されてきたサゴヤシが減少し、替わりに天然ゴムや油ヤシなどの経済作物が盛んに栽培されるようになってきました。
本計画では、トラン県ナヨーン郡コークサバ地区及びナーカオシア地区のパイリン川中流域における、サゴヤシの有効利用による農民の所得向上と、サゴヤシ生態系保護による環境の回復・保護を目指したサゴヤシ学習センターの建設と共に、理解促進活動及び職業研修を行いました。
この支援により、地域住民や地元行政のサゴヤシ保護意識が向上し、食の安全や所得向上のためのサゴヤシ管理・有効利用が促進されると共に、サゴヤシ生態系の持続的保護が促進されることが期待されます。
日本政府は、引き続き、草の根・人間の安全保障無償資金協力を通じて、草の根レベルでの社会開発活動への支援を積極的に行なっていく方針です。