梨田大使からタイ国民の皆様への手紙

2020/3/17

3月16日付け当地「マティチョン」紙及び3月17日付け当地「デイリーニュース」紙は、新型コロナウィルス感染事案に関し、梨田和也在タイ日本国大使からのタイ国民の皆様への手紙を掲載しましたところ、次のとおりです。

 

見出し:「日本大使からの手紙ータイの皆様は心配しないで、笑顔でいてください」

 

本文:
    親愛なるタイの皆様へ、

 

本日はタイの皆様に御理解頂きたいこととお願いがあり、一筆認めました。

 

新型コロナウイルス感染症の流行を受けて、各国とも水際対策の強化や感染拡大の防止に努めていますが、残念ながら世界的に広がりつつあります。タイにおいては、保健省を始め、国民が一丸となって対策に取り組み、これまで確認された感染者は3月11日現在53名にとどまっています。日本大使として、こうしたタイ政府の取り組みと国民の努力に心から敬意を表します。一方、日本での感染者は、3月11日現在543名ですが、安倍晋三総理自身がリーダーシップを発揮し、感染拡大予防の観点から具体的な措置を機動的に取っており、現時点では大規模な感染拡大が認められる地域はありません。

 

こうした状況下、先日、新しいタイ保健省布告により、日本が危険感染症地域に指定されたとの誤った報道が一部で流れました。当地に滞在する日本人として、こうした誤情報により日本人が風評被害を受けることをとても懸念しています。実際、新型コロナウイルスを巡っては、これまでも当地日本人から当館に対し、(1)日本人代表がタイの取引先の会社に行った際に日本人は帰れと言われた、(2)日本人だという理由だけでホテルをキャンセルされたり、タクシーの乗車拒否をされた、(3)日本の刺身には菌が付いているとの噂が広まっているなどといった報告が寄せられています。もちろん、これらは限定的と思いますが、いずれもタイに強い好意を持っている在留邦人からの言葉だけに、とても複雑で、心が痛む思いです。

 

実際には、当地に居住する日本人や日本人旅行者は、タイ保健省の指導に従い、細心の注意を払って感染予防に取り組んでいます。私自身、当館の職員が日本から戻ってきた場合には14日間の自宅勤務を指示していますし、大半の日本企業や日本人学校でも右を実践しています。

 

「まさかのときの友こそ真の友」という言葉があります。日本とタイの600年にわたる長い交流の歴史、伝統的な友好関係を通じて、私はタイの皆様が日本の「真の友人」であると確信しています。タイの皆様におかれては、医学的、科学的根拠に乏しい風評に惑わされることなく、いつもの大らかな心と優しいほほ笑みで、これまでと同じように日本人に接して頂けるように、心からの御理解と御支援をお願い致します。

 

(ご参考) 3月16日(月)付けマティチョン紙第7面 

(ご参考) 3月17日(火)付けデイリーニュース紙第9面