大使紹介

令和6年3月11日
大鷹正人大使

この度、駐タイ日本国大使として着任致しました大鷹正人(おおたか まさと)です。タイは2009年から2012年に勤務しましたので、2度目の赴任となりますが、これまでの多くの先人が築き上げてきた両国の素晴らしい友好関係を更に発展させていくために、力を尽くす機会が与えられたことを大変嬉しく思っています。

 

日本とタイは1887年9月26日、「修好通商に関する日本国暹羅国間の宣言」調印により、正式な外交関係を樹立し、2022年には国交樹立135周年を迎えました。この長い歴史の中でも、日本政府はいち早くタイへのODA(政府開発援助)を行うとともに、日系企業がタイに進出し、経済発展を支えてきました。こうした日本の官民あげての活動によって、今やタイでは、約6000社の日系企業が活躍しており、特に経済政策を重視する現セター政権下においては、日系企業にとって円滑な企業活動を促進するための環境が整っています。

 

勿論、両国の友好関係は経済関係のみならず、多くの分野に現れています。2023年、日本からの訪タイ観光客数は円安の影響もありまだコロナ禍前の水準に達していませんが、日本へは約100万人のタイ人観光客が訪れました。これは国別6位、ASEAN加盟国では1位となっています。

 

またタイでは、生け花や茶道、かるた、武道、和食、日本酒、伝統芸能、アニメといった日本文化への関心は非常に高く、日本語学習熱もとても堅調だと聞いています。こうした日本への関心の高まりが、いつしか日本を訪れてみたいという気持ちとなり、益々多くのタイの方々が日本を訪問してくれれば本当に嬉しい限りです。

 

現在、タイに在住する在留邦人の方々は、約7万人です。在留邦人をはじめとする日本人の皆様の安全確保やそれに関する活動のお手伝いは、我々大使館にとって特に重要な任務です。皆さまのお力になるべく、全力を尽くして参りたいと考えていますので、大使館へのご意見・ご要望などは、どうぞ遠慮なくお聞かせ頂ければと思います。

 

日本とASEANの友好協力関係50周年に際し、昨年12月に東京で開催された特別首脳会議へはセター首相も参加されました。首脳会議では「共創(きょうそう)」を一つのキーワードに掲げ、日本と東南アジア諸国との新たな関係の幕開けを宣言しました。タイにおいても、日本語を解し、日本企業の進出を温かく受け入れてくれた多くの方々が後進に道を譲る時期を迎えています。当地に暮らす我々日本人も、新たな世代の方々との関係を築き、絆を次の世代につないでいくことが求められています対等なパートナーとして、共に考え、共に新たなものを創りだしていく、そのような間柄としてタイと向き合いと思っています。これから、皆様のご支援、ご協力を賜りながら、両国の友好関係の更なる発展に向けて、精一杯尽力する所存ですので、どうぞ宜しくお願い申し上げます。