プレスリリース

令和4年8月4日

「タイにおける労働者の被害者保護および研修センター整備計画」引渡し式典の実施

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日本政府は、草の根・人間の安全保障無償資金協力により「タイにおける労働者の被害者保護および研修センター整備計画」にかかる総額2,997,000バーツを支援しました。

   

令和4年8月4日、パトゥムターニー県における研修センターにおいて本件の引渡し式典が執り行われ、パトゥムターニー副県知事エカウィット・ミーピーアン氏、労働者保護ネットワーク財団会長のスリチャイ・ワンゲーオ教授、労働者の保護ネットワーク財団長ソンポン・サケーオ氏、そして在タイ日本国大使館から梨田和也大使他、関係者が出席しました。

 

タイでは周辺国(ミャンマー、ラオス、カンボジア)からの移民労働者が多く、正規に雇用された労働者が約200万人、実際には400~600万人程度いるとも言われています。これら移民労働者の中には人身取引の対象となり、最低賃金に満たない収入や劣悪な環境での生活を余儀なくされ、不十分な福利厚生制度等のもと強制労働の被害者になる場合もあります。タイ人であっても同様の被害に遭うケースがあり、加えて労働災害などにより負傷し、仕事を継続できなくなったものの、雇用主から十分な福利厚生を受けられないケースもあるなど、労働者を取り巻く環境は非常に厳しいのが実状です。

 

そのような中、労働者の権利推進ネットワーク財団はこれまで移民労働者やタイ人労働者の権利を守るべく、各言語での情報提供や広報活動、人身売買被害者の救出やその後のケアなどを実施してきました。移民労働者の家族に対しては子供の教育サポートなどを実施してきました。しかし、労働被害者が宿泊できるだけの十分なスペースがなかったため、一部の労働被害者を出身地に帰さざるを得ず、結果として再度労働被害者になってしまうケースも発生していました。このように、これら被害者に対する社会復帰に向けた研修施設と、精神的なリハビリをある程度長期的に行うことができる施設の確保が必要な状況でした。

 

この状況を受け、日本政府の支援により、労働者の被害者保護および研修センターを建設することで、団体として被害者保護の機能拡充につながることに加え、タイの抱える問題の一つである移民労働者の労働環境、労働者の権利確保に向けたパイロットプロジェクトになると判断し、草の根・人間の安全保障無償資金協力により支援を実施しました。 今年は、日タイ修好135周年の年です。

 

今回のような草の根レベルの支援を通じて、タイと日本の友好・協力関係がより強固なものとなることを期待します。

お問い合わせ先

在タイ日本国大使館 経済部 草の根・人間の安全保障無償資金協力担当

  • Tel:02-207-8500 / 02-696-3000 (代表)
  • Fax:02-207-8517