プレスリリース
日本政府、「ペッチャブリー県パーデン区における多目的給水車整備計画」の引渡式典を実施

日本政府は、草の根・人間の安全保障無償資金協力により「ペッチャブリー県パーデン区における多目的給水車整備計画」にかかる総額5,915,000バーツの支援をしました。
- 案件概要
- 参考: 令和5年2月16日署名式
令和5年10月17日、ペッチャブリー県パーデン区行政機構において本案件の引渡式典が執り行われ、ワンペン・マンスリー・ペッチャブリー県副知事、ソムワン・コンチュー・ケーンクラチャーン副郡長、アッタポン・ジェーンルアン・パーデン区行政機構長、プラジン・シアンプロ同副行政機構長、パーデン区行政機構と協力関係にある住民組織「ルアムジャイ・タームローイポー・ネットワーク・コミュニティエンタープライズ」のゴーソン・セーントーン代表、そして在タイ日本国大使館から番塲志保一等書記官他、関係者が出席しました。
ペッチャブリー県ケーンクラチャーン郡パーデン区は、タイ西部に位置し、ミャンマー国境と接しています。区の面積の約7割は、タイ最大のケーンクラチャーン国立公園森林保護区に区分され、水道や電気が整備されていません。また、カレン族などの少数民族が在住する集落は、水道設備が足りず、毎日全世帯が使用できるだけの水道水が不足しています。
住民は、雨水を貯めたり、河川などから水を汲み貯めたりしていますが、自然水源から遠い住民は生活用水を十分に確保できておらず、特に3月から5月の暑季には雨水の確保も困難となります。パーデン区行政機構はこの問題に対し、タンク容量6,000リットルの給水車1台で生活用水や飲料水を運搬していますが、必要水量を満たしていない上、老朽化による車両故障も頻発するため、給水サービスが十分に実施できていない状況です。また、同区行政機構は専用の消防車を所有しておらず、給水車を消防車として兼用していますが、消防用の散水機能を有していないため、山火事や民家の火災時などの消火活動に支障をきたしています。
これらの状況を受け、日本政府はパーデン区行政機構に消防散水機能付きの多目的給水車を整備することが、同区の住民の生活環境の改善、および安全に寄与すると判断し、草の根・人間の安全保障無償資金協力による支援を行いました。この多目的給水車の配備により、一カ月あたり最大約110万リットル、約570世帯分の給水が可能となり、同区の生活インフラが改善されます。さらに、火災時には効率的な消火活動に役立ち、地域の防災に貢献します。
日本政府は今後も、人間の安全保障のための取り組みを支援していきます。
お問い合わせ先
在タイ日本国大使館 経済部 草の根・人間の安全保障無償資金協力担当
- Tel:02-207-8500 / 02-696-3000 (代表)
- Fax:02-207-8517