プレスリリース
大鷹大使による天皇誕生日祝賀メッセージ

本日、日本国天皇陛下が65回目のお誕生日をお迎えされることを大変喜ばしく、光栄に思います。天皇陛下のお誕生日をお祝いするとともに、日本の皇室とタイ王室の長年の太い絆をお慶び申し上げます。
日本とタイは長きにわたる交流の歴史を有し、自然災害や新型コロナ感染症など幾度の困難を、その都度力を合わせて乗り越え、友好を深めてまいりました。2024年は日タイ両国において新政権が発足し、この新政権下で日タイ関係を更に推進すべく大使館一丸となって邁進してきました。昨年1月に発生した能登半島地震やタイ北部の洪水では両国のコミュニティが互いに被災地を支援するなど、両国の絆を再認識できた1年となりました。
この他にも昨年は日本とタイにとって特別な年で、経済分野においては、タイに対する日本の政府開発援助(ODA)が開始されてから70周年、バンコク日本人商工会議所(JCC)、JETROバンコク事務所も設立70周年。国際交流基金(JF)が設立50周年を迎えました。過去40年を振り返っても日本からタイへの累積投資額は約4兆バーツ、対タイ直接投資額の40%を占め、国別投資額で第1位、約6千社の日本企業がタイに進出しています。自動車を含む製造業を中心に緊密な経済関係を築いてきた両国関係は、今後は宇宙、デジタル、環境といった新しい分野での協力も推進するとともに、少子高齢化、気候変動といった共通の課題も抱えており、今後両国の官民で協力できる分野に積極的に取り組みたいと思います。
両国の人的往来も着実に進んでおり、2024年に訪日したタイ人の数は約115万人で、ASEANの中では首位を記録しています。また今年4月には日本の大阪で、「大阪・関西万博」が開催されます。テーマは「いのち輝く未来社会のデザイン」でタイもパビリオンを出展します。食も両国を繋ぐ重要な要素であり、現在、タイには約6千店舗の日本食レストランがあり、日本食はタイ人にとって身近な食べ物となりました。タイ料理も日本では人気があり、昨年、無形文化遺産に登録された「トムヤムクン」は日本人に最もよく知られたタイ料理の一つで、日本の「伝統的酒造り」もユネスコの無形文化遺産に登録されました。このような観光や食を通じて両国の人的交流が更に活発になることを期待します。
またペートンターン政権によるタイ・ソフトパワー政策を歓迎します。タイはタイ料理や国内観光地等、世界的に知られた資産を有しており、タイ国内経済への貢献が期待されて当然です。我が国もタイと連携しながら、両国のソフトパワー強化に取り組みたいと考えます。
この他、ウクライナ、ミャンマー、中東情勢含め、ますます厳しくなる国際情勢の中で、長年の友人である日本とタイで、諸課題において協力し、引き続き、日本とタイの強固な関係を育むために尽力していきたいと考えます。特に対等なパートナーとしての絆を次世代に繋ぐために、若い世代間の交流を活発化させ、両国が手を携えて、さらに発展していくことを心から願っております。
駐タイ日本国大使 大鷹 正人