プレスリリース

令和7年10月22日
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草の根・人間の安全保障無償資金協力
「カンチャナブリー県脆弱な移民のための診療所建設計画」の署名式を実施

日本政府は、令和7年度草の根・人間の安全保障無償資金協力として、「カンチャナブリー県脆弱な移民のための診療所建設計画」に対する総額4,986,900バーツの支援を決定し、令和7年10月17日、在タイ日本国大使館において、大鷹正人大使と実施団体サーン・ジャイ・ディー・クリニックとの間で署名式を執り行いました。

   

ミャンマーと国境を接するカンチャナブリー県サンクラブリー郡は、ミャンマー紛争からの避難民をはじめ、多くの移民が暮らす地域です。こうした人々の中には日雇い収入で生計を立て、社会保障を受けられない脆弱者層が少なくありません。同郡ノンルー地区のフアイマーライ村では、村唯一の病院が2022年に郡市街地に移転したことから、近隣でさまざまな慈善事業に取り組んでいる個人医院のサーン・ジャイ・ディー・クリニック(SJD)が村にクリニックを開設し、低額で診療を行ってきました。

 

しかし、クリニックにはレントゲンなどの基礎的設備がなく、患者が受けられる診療サービスは限られ、診察室も不足しています。脆弱な移民患者にとって、検査や治療のために市街地の病院へ通うことは、医療費や交通費の工面、言語の不安などの障壁があり、受診を諦めるケースもあります。加えて、隣村に立地するバンドンヤン難民キャンプが、米政権の援助資金停止を受けて医療危機にあることから、同地域では近隣病院の協力体制が求められています。

 

これらの状況を受け、日本政府はフアイマーライ村に各種医療機器を備えた診療所を新設することが、増大する脆弱層の医療ニーズへの対応に寄与すると判断し、草の根・人間の安全保障無償資金協力の実施を決定しました。これにより、年間約6,100人が適切な医療を受けられるようになる他、バンドンヤン難民キャンプの住民の医療アクセス向上が期待されます。

 

日本政府は在タイ日本大使館を通じ、タイ王国に対して、1989年より本案件を含め、これまで423件の草の根無償資金協力を実施しています。

お問い合わせ先

在タイ日本国大使館 経済部 草の根・人間の安全保障無償資金協力担当

  • Tel:02-207-8500 / 02-696-3000 (代表)
  • Fax:02-207-8517